親から住宅の頭金を援助してもらった、祖父母から子どもの教育費を受け取った、毎年まとまったお金をもらっている。こうした家族間のお金にも、贈与税の確認が必要になることがあります。
贈与税は、原則としてお金や財産を「受け取った側」が確認する税金です。「110万円以下か」だけでなく、誰から、何のために、どの課税方式で受け取ったかを順に整理しましょう。
情報確認日:2026年9月11日。国税庁の令和8年4月1日現在の法令等に基づく資料を中心に確認しています。本記事は国内の家族間の贈与を中心とした一般的な情報です。運営者は税理士ではなく、個別の税額や最適な贈与方法を判断するものではありません。海外居住、事業承継、財産評価など個別条件がある場合は税務署・税理士に確認してください。
贈与税とは
贈与税は、個人から財産をもらったときに、原則として受け取った人にかかります。現金の振込みだけでなく、不動産や株式などの財産も確認対象です。借金の免除など、現金を受け取っていなくても贈与とみなされる場合があります。国税庁:贈与税がかかる場合
会社など法人からもらった財産は、贈与税ではなく所得税の扱いを確認します。この記事では、親・祖父母・配偶者など個人間のお金を扱います。
| 家族から受け取ったお金の例 | 最初に確認すること |
|---|---|
| 使い道を決めずに受け取った現金 | 同じ年の他の贈与と課税方式 |
| 今月の保育料や、請求された学費の援助 | 扶養義務者からの通常必要な費用か、直接支払ったか |
| 将来の教育費としてまとめてもらった資金 | 必要な都度の援助と、一括の資金移転を分ける |
| 住宅購入の頭金 | 住宅取得等資金の特例の要件と申告 |
| 生前贈与として継続的にもらう財産 | 過去の課税方式の選択、契約内容、相続時の扱い |
まず目的を分け、その後に年間の金額を集計する順番です。生活費・教育費の非課税要件を満たすものまで、すべて一律に110万円の枠へ入れるわけではありません。
贈与税はいくらから?110万円の基礎控除
暦年課税では、1月1日から12月31日までの1年間に受けた、課税対象となる贈与財産の価額を合計し、基礎控除110万円を差し引きます。通常の暦年課税で合計110万円以下なら、贈与税はかからず、申告も不要です。国税庁:贈与税の計算と税率
110万円は「贈与者1人あたり」ではありません。受け取る人1人について、暦年課税の対象となる年間の贈与を合計して考えます。相続時精算課税を選んだ相手からの贈与は、後述の別の計算になります。
なお、住宅資金などの特例を使って税額がゼロになる場合には、申告が必要なことがあります。「非課税になるから申告しなくてよい」と先に判断しないでください。
複数の人から贈与を受けた場合
計算例の前提:同じ人が同じ年に父から80万円、母から80万円の現金を受け取り、いずれも暦年課税とします。他の贈与はなく、生活費・教育費の非課税や住宅資金などの特例は使わない例です。
| 確認する金額 | 計算 |
|---|---|
| 年間の贈与合計 | 80万円+80万円=160万円 |
| 基礎控除後の金額 | 160万円-110万円=50万円 |
| この前提での贈与税額 | 50万円×10%=5万円 |
この例の基礎控除後50万円には、一般税率・特例税率のどちらでも10%が適用されます。父からの80万円と母からの80万円を、それぞれ110万円と比べて終えることはできません。国税庁:複数の人から贈与を受けたとき
家族で確認するときは、受け取る人ごとに「贈与者・時期・財産・金額・用途」を一覧にすると集計しやすくなります。兄弟姉妹がいる場合も、家族全員の合計ではなく、各人が受けた贈与を分けます。
贈与税の税率
暦年課税の速算表には、一般税率と特例税率があります。特例税率は、贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上の人が、父母・祖父母など自分の直系尊属から受けた贈与に使います。配偶者の親は、養子縁組などで自分の直系尊属に当たる場合を除き、同じ扱いではありません。
夫婦・兄弟間や、年の1月1日時点で18歳未満の子・孫への贈与などは一般税率です。次の表は110万円を差し引いた後の金額に使い、「その金額×税率-速算表の控除額」で計算します。国税庁:一般税率・特例税率の速算表
一般税率
| 基礎控除後の金額 | 税率 | 速算表の控除額 |
|---|---|---|
| 200万円以下 | 10% | なし |
| 200万円超~300万円以下 | 15% | 10万円 |
| 300万円超~400万円以下 | 20% | 25万円 |
| 400万円超~600万円以下 | 30% | 65万円 |
| 600万円超~1,000万円以下 | 40% | 125万円 |
| 1,000万円超~1,500万円以下 | 45% | 175万円 |
| 1,500万円超~3,000万円以下 | 50% | 250万円 |
| 3,000万円超 | 55% | 400万円 |
特例税率
| 基礎控除後の金額 | 税率 | 速算表の控除額 |
|---|---|---|
| 200万円以下 | 10% | なし |
| 200万円超~400万円以下 | 15% | 10万円 |
| 400万円超~600万円以下 | 20% | 30万円 |
| 600万円超~1,000万円以下 | 30% | 90万円 |
| 1,000万円超~1,500万円以下 | 40% | 190万円 |
| 1,500万円超~3,000万円以下 | 45% | 265万円 |
| 3,000万円超~4,500万円以下 | 50% | 415万円 |
| 4,500万円超 | 55% | 640万円 |
同じ年に一般税率の贈与と特例税率の贈与が混在するときは、税額をあん分する計算が必要です。贈与者ごとに110万円を引いて別々に計算する方法ではありません。混在する場合は、国税庁の速算表ページにある計算例を確認してください。
生活費や教育費なら贈与税はかからない?
親子・夫婦・兄弟姉妹などの扶養義務者から、生活費や教育費に充てるために受けた財産のうち、通常必要と認められるものは贈与税がかかりません。生活費には治療費や養育費など、教育費には学費・教材費などが含まれます。国税庁:贈与税がかからない場合
確認する軸は、①扶養義務者からの援助か、②本人に通常必要な費用か、③必要な都度、直接その支払いに使っているかです。「教育費用」という振込名義や家族間の説明だけでは決まりません。通常必要な範囲は、受け取る人の必要性や援助する人の資力なども踏まえて判断されます。
| 例として考える場面 | 税務上の確認ポイント |
|---|---|
| 祖父母が、孫の請求された授業料をその都度援助する | 通常必要な教育費として、直接支払いに充てるものか |
| 親から今月の保育料や子どもの治療費の援助を受ける | 通常必要な養育費・治療費か、実際の負担と支払いを確認 |
| 数年分の教育費を一括でもらい、支払わず預金に残す | 将来の支払い用というだけでは、この非課税扱いにならない |
| 教育費の名目でもらい、株式や不動産の購入に使う | 必要な都度の生活費・教育費とは区別して贈与税を確認 |
名目だけで判断しない:一括で受け取り、生活費・教育費に充てず預貯金などとして残した部分は、贈与税の対象になり得ます。ただし、課税対象に入ることと、最終的に税額が発生することは別です。課税方式や年間合計、適用できる控除を確認します。
国税庁は、妊娠・出産・子育てに関する費用も案内しています。保険金等で補てんされる部分を除くことや、必要な都度の支出であることも確認してください。請求書、領収書、振込記録などを対応させておくと、何に使った援助か説明しやすくなります。国税庁:妊娠・出産・子育てに関する費用
教育費をいつ、いくら準備するかは、子どもの教育費の目安と準備方法で整理しています。家計全体の中で援助をどう位置づけるかは、子育て世帯のお金の優先順位も参考にしてください。
毎年110万円以下なら必ず問題ない?
毎年その都度、贈与の契約を結び、その年の贈与合計が基礎控除以下である場合と、最初から将来の給付を約束している場合は分けます。
国税庁は、各年に贈与契約を結んで100万円ずつ贈与する場合と、最初に「10年間、毎年100万円を渡す」と契約・約束した場合を区別しています。後者では、約束した年に、継続して給付を受ける権利の贈与として課税される扱いです。国税庁:毎年、基礎控除額以下の贈与を受けた場合
確認すべきなのは契約・約束の内容です。「同じ日・同じ金額なら直ちに課税」「日付や金額を変えれば必ず安全」といった判断にはしません。将来の贈与まで約束しているか、その年の意思に基づく贈与かを確認します。
また、贈与税がかからなくても、将来の相続税で確認が必要になる場合があります。暦年課税では、相続等で財産を取得した人が、亡くなった人から対象期間内に受けた贈与について、110万円以下の分も相続税の計算に加算される場合があります。国税庁:暦年課税の贈与財産の加算
2026年中に相続が開始した場合の加算対象期間は原則として相続開始前3年以内です。2024年以後の贈与をめぐる改正には経過措置があり、「2026年の相続からすべて7年」とはなりません。詳しい相続税の判定は、贈与の年と相続開始日を併せて確認します。
暦年課税と相続時精算課税の違い
110万円という同じ数字が出てきても、制度を選ぶ手続きと相続時の扱いが異なります。相続時精算課税は、受け取る人が贈与者ごとに選択する制度です。
| 比較項目 | 暦年課税 | 相続時精算課税 |
|---|---|---|
| 基礎控除 | 受贈者ごとに年間110万円 | 受贈者ごとに年間110万円。複数の特定贈与者がいればあん分 |
| 特別控除 | 精算課税の2,500万円控除はない | 同じ贈与者からの贈与につき累計2,500万円 |
| 税率 | 基礎控除後に10~55% | 基礎控除・特別控除後に一律20% |
| 対象 | 精算課税を選んでいない個人間の贈与など | 原則、年初60歳以上の父母・祖父母等から年初18歳以上の一定の子・孫等 |
| 申告・届出 | 通常、課税対象の年間合計110万円超なら申告。特例は別途確認 | 110万円超なら申告。初めての選択は110万円以下でも届出が必要 |
| 相続時 | 一定期間内の贈与を加算する場合がある | 原則、贈与時の価額から年ごとの基礎控除を引いた額を加算 |
| 方式の変更 | 要件と手続きを満たせば精算課税の選択が可能 | 選択した贈与者について暦年課税に戻れない |
相続時精算課税の年間110万円は、2024年1月1日以後の贈与に適用されるものです。過去の贈与もすべて同じ扱いになるわけではありません。表は一般ルールの比較で、住宅資金などの特例は後述します。国税庁:相続時精算課税の選択
相続時精算課税とは
原則として、贈与をした年の1月1日に60歳以上の父母・祖父母などから、同じ年の1月1日に18歳以上の、贈与者の直系卑属である推定相続人または孫が財産を受ける場合に選べます。推定相続人とは、その時点で相続が起きたとすれば相続人となる人です。
年齢だけでなく続柄も条件になります。贈与財産は現金に限定されず、種類・金額・回数に制限はありませんが、不動産などは価額の確認も必要です。選択すると、同じ贈与者からその年以後に受ける贈与へ継続して適用されます。国税庁:相続時精算課税の対象者・対象財産
2026年12月31日までの一定の住宅取得等資金には、贈与者が60歳未満でも相続時精算課税を選べる特例があります。住宅資金の非課税制度とは別の制度であり、一般の現金贈与にそのまま当てはめることはできません。国税庁:住宅資金に関する相続時精算課税選択の特例
相続時精算課税の110万円と2,500万円
年間110万円は毎年の基礎控除、2,500万円は同じ贈与者からの贈与について複数年で使う特別控除です。2,500万円を毎年使えるわけではありません。
| 控除 | 単位・注意点 |
|---|---|
| 基礎控除110万円 | 相続時精算課税の贈与を受ける人ごとに年間110万円 |
| 特別控除2,500万円 | 贈与者ごとに累計。前年までに使った額を差し引いた残りを使う |
各特定贈与者からの贈与額から、その人に対応する基礎控除を引き、さらに特別控除の残額までを引きます。残った金額に一律20%を掛けます。特別控除を使うには、税額がゼロでも期限内の贈与税申告が必要です。国税庁:相続時精算課税を選んだ場合の計算
例えば、2026年に父からのみ300万円を受け取り、父について初めて精算課税を適法に選択し、他の贈与・特例がないとします。基礎控除後は300万円-110万円=190万円です。期限内申告で特別控除190万円を使えば今回の贈与税はゼロとなり、特別控除の残りは2,310万円になります。相続時には原則として190万円を加算するため、「300万円が将来も全部非課税」という計算ではありません。
同じ年に父と母の両方を特定贈与者として各220万円、計440万円を受けた場合は、年間110万円を半分ずつ、各55万円にあん分します。父にも母にも110万円ずつ使うのではありません。この例は両者に相続時精算課税が適用され、他の特例等がない前提です。国税庁:複数の特定贈与者と基礎控除のあん分
一方、父には相続時精算課税、母には暦年課税を適用する場合、母などからの暦年課税の贈与は別に合計し、暦年課税の110万円を確認します。制度をまたいで全員分を一つにまとめたり、同じ父からの贈与で両方式の控除を重ねたりしないようにしましょう。国税庁:異なる課税方式がある場合の計算例
相続時精算課税は一度選ぶと戻せない
選択前に必ず確認:相続時精算課税を選んだ贈与者について、その後の贈与を暦年課税へ戻すことはできません。「今年の税額がゼロになるから」という理由だけで選ばず、今後の援助予定や相続財産全体を確認してください。
相続時には原則として贈与時の価額を使い、2024年以後の贈与は年ごとの基礎控除を引いた残額を加算します。年間110万円の基礎控除に相当する部分と、2,500万円の特別控除を使った部分では、相続時の扱いが違います。贈与時に納めた精算課税の贈与税は、相続税から控除する仕組みです。国税庁:相続時精算課税と相続税の計算
比較する際は、贈与額だけでなく「誰から、どの財産を、今後どの程度受け取る予定か」「その人の相続財産はどのようなものか」を整理します。この情報を持って税務署・税理士へ確認し、どちらが必ず有利とは決めつけないことが大切です。
住宅購入時の贈与には特例がある
2026年9月時点では、2024年1月1日から2026年12月31日までの一定の住宅取得等資金の贈与に、次の非課税限度額があります。自分の父母・祖父母など直系尊属から、居住用住宅の新築・取得・増改築等に使う金銭を受け取る制度です。国税庁:住宅取得等資金の非課税
| 住宅の区分 | 非課税限度額 |
|---|---|
| 一定の性能基準を満たす省エネ等住宅 | 1,000万円 |
| それ以外の住宅 | 500万円 |
主な確認項目は次のとおりです。これだけで全要件を満たすと判断せず、契約前・資金移動前に国税庁の一覧と必要書類を照合してください。
- 受贈者が、贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上か。
- その年の合計所得金額が原則2,000万円以下か。床面積40㎡以上50㎡未満では1,000万円以下か。給与の収入額そのものではない。
- 床面積、取得する持分、住宅性能の証明、新築等や入居の時期などの要件を満たすか。
- 過去にこの非課税制度を使っていないか。過去の適用により利用可否や残額の確認が必要。
- 非課税の適用に必要な、期限内申告と添付書類を準備できるか。
住宅関連なら何でも対象ではありません。親が持つ家そのものの贈与や、既にある住宅ローンの返済資金は、この住宅取得等資金の非課税の対象ではありません。また、父と祖父から受け取っても、受贈者1人の限度額が2倍になるわけではありません。国税庁:住宅資金のよくある質問
特例を使って納税額がゼロになる場合にも、贈与税の申告が必要です。住宅会社の説明だけでなく、援助を受ける人・住宅の名義・資金の使途をそろえて確認しましょう。
教育資金の一括贈与について
2026年9月時点では、教育資金の一括贈与の非課税制度を新たな贈与に利用することはできません。国税庁は、適用期限が延長されず2026年3月31日で終了し、4月1日以後の贈与等は対象にならないと案内しています。国税庁:教育資金の一括贈与の非課税
3月31日までに適用を受けた金銭等には、引き続き制度が適用されます。既存契約では、贈与者の死亡時や契約終了時に相続税・贈与税が生じる場合があるため、取扱金融機関と公式案内で確認してください。
この期限は、先ほど説明した「通常必要な教育費を必要な都度援助する場合の非課税」とは別の話です。一括贈与の特例が終了したからといって、親や祖父母による学費援助が一律に課税されるわけではありません。
配偶者への自宅の贈与には特例がある
婚姻期間20年以上の夫婦間で、居住用不動産またはその取得資金を贈与した場合、一定の要件と贈与税申告により、基礎控除110万円とは別に最高2,000万円の配偶者控除を使える制度があります。国税庁:居住用不動産の贈与の配偶者控除
贈与の翌年3月15日までに実際に住み、その後も住み続ける見込みなどの条件があります。同じ配偶者からの贈与には一生に一度の適用です。婚姻年数だけで対象と判断せず、不動産の用途・評価・必要書類も確認してください。
贈与税の申告はいつする?
原則として、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに申告します。提出期限が土日・祝日等に当たる場合は、これらの日の翌日が期限です。申告・納税が必要な人は、翌年になってから慌てないよう、贈与を受けた年ごとに記録を整理します。国税庁:贈与税の申告手続
| 状況 | 確認する手続き |
|---|---|
| 通常の暦年課税で年間110万円以下 | 原則として贈与税申告不要。特例を使う場合は別途確認 |
| 暦年課税の年間合計が110万円超 | 贈与税の申告・納税を確認 |
| 精算課税の年間合計が110万円以下 | 原則として贈与税申告不要。ただし、初めて選ぶ年は選択届出書等が必要 |
| 精算課税の年間合計が110万円超 | 贈与税申告を確認。2,500万円特別控除には期限内申告が必要 |
| 住宅資金の非課税や配偶者控除を利用 | 税額がゼロでも、適用のための申告・書類が必要 |
初めて相続時精算課税を選択する場合は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、贈与者ごとに「相続時精算課税選択届出書」を作成し、戸籍の謄本など一定の書類とともに提出します。贈与税申告書を提出する場合は添付し、申告書が不要な場合でも届出自体は必要です。国税庁:選択届出書の提出
国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、対応する申告内容なら贈与税申告書を作成し、e-Taxで提出できます。紙で作成して税務署に持参・送付する方法もあります。2026年分の申告時には、その年分に対応する案内・様式を確認してください。
贈与税の申告は、給与や副業などの所得税の確定申告とは別です。「会社の年末調整を受けたから贈与税も終わり」とはなりません。所得税側の申告要否は、会社員の確定申告ガイドで分けて確認できます。
贈与税でよくある誤解
| 誤解 | 確認したいこと |
|---|---|
| 1人から110万円以下なら、何人からもらっても非課税 | 暦年課税は受贈者ごとに年間合計で判断 |
| 生活費名目なら金額・使途に関係なく非課税 | 扶養義務者、通常必要な範囲、必要な都度の直接の支出を確認 |
| 毎年110万円以下なら契約内容は関係ない | 将来にわたる給付を最初から約束していないか |
| 相続時精算課税は2,500万円まで完全非課税 | 年間110万円と累計2,500万円は別。相続時に加算する額も違う |
| 精算課税を選んでも、後から暦年課税に戻れる | 選択した贈与者については戻せない |
| 親から住宅資金をもらえば誰でも1,000万円非課税 | 人・住宅・使途・時期・申告などの要件がある |
| 110万円以下なら相続税も考えなくてよい | 暦年課税では相続時の加算対象となる場合がある |
家族からお金をもらったときの確認チェックリスト
- □ 誰から誰への贈与か。自分・配偶者・子どもの分を区別したか。
- □ その年に、他の人から受け取った贈与もないか。
- □ 現金以外も含め、年間の贈与額を整理したか。
- □ 生活費・教育費は通常必要なものを、必要な都度その用途に使っているか。
- □ 贈与者ごとに、暦年課税か相続時精算課税かを確認したか。
- □ 過去に提出した相続時精算課税選択届出書や申告書はないか。
- □ 住宅資金や配偶者控除など、使いたい特例の条件を確認したか。
- □ 納税額だけでなく、贈与税申告・届出・添付書類の要否も確認したか。
相談の前に、振込記録、贈与契約・約束の内容、使途を示す資料、過去の申告書・届出書を集めておくと、確認すべき論点を伝えやすくなります。財産の評価や複数の特例が絡む場合は、金額だけで自己判断しないようにします。
援助された資金を将来のために使う場合も、先に税務上の扱いと使う時期を整理してください。貯蓄と投資をどう分けるかは、資産形成の基本で解説しています。
まとめ
家族からお金をもらったら、まず使途、次に年間合計と課税方式、最後に申告・届出を確認します。
- 暦年課税の110万円は、原則として受贈者ごとの年間合計で考える。
- 生活費・教育費は、通常必要なものを必要な都度使う場合などに非課税となる。
- 相続時精算課税の年間110万円と、累計2,500万円の特別控除は別のもの。
- 精算課税を選択した贈与者については、暦年課税に戻せない。
- 住宅資金等の特例には、要件と申告がある。教育資金一括贈与の新規適用は終了している。
- 個別の判定が難しい場合は、記録をそろえて税務署・税理士に確認する。
贈与税がゼロになるかだけでなく、家族が何のために援助するのか、相続時に何を確認するのかも大切です。贈与の段階で記録を残しておくことが、将来の相続を考える際の出発点になります。

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