ライフプランニングは、将来を正確に予測する作業ではありません。今の時点で考えている予定をもとに、いつ、何に、いくら必要になりそうかを整理する作業です。
予定を書き出すと、貯金する金額、投資に回せる金額、見直すべき支出が分かりやすくなります。
この記事では、家計の現状確認から将来の資金計画を作るまでを、5つのステップで解説します。
ライフプランニングとは
ライフプランニングとは、働き方、家族、住まい、教育、老後などの希望を整理し、それに必要なお金を準備する計画を立てることです。
似た言葉には、次のような違いがあります。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| ライフプラン | 将来どのように暮らしたいかという生活設計 |
| マネープラン | 希望する暮らしに必要なお金の準備計画 |
| キャッシュフロー表 | 将来の収入・支出・資産残高を年ごとに並べた表 |
最初から細かい表を完成させる必要はありません。まずは現状と数年以内の予定から整理し、あとで更新できる形にしておくことが重要です。
ライフプランを作ると分かること
- 近い将来に使うお金と、長期で運用できるお金の区別
- 毎月いくら貯めれば目標に届くか
- 収入が減った場合や支出が増えた場合に、家計がいつ厳しくなるか
- 固定費の見直し、貯金、投資のうち、どれを優先するか
ライフプランの目的は、将来の不安を完全になくすことではありません。予定が変わったときに、何を調整すればよいか判断できるようにすることです。
ライフプランの作り方5ステップ
1.現在の家計を確認する
まず、現在のお金の流れと保有資産を確認します。
- 毎月の手取り収入
- 家賃・住宅ローン、食費、通信費、保険料などの毎月の支出
- 税金、車検、旅行などの年に数回発生する支出
- 預貯金、投資資産、保険の解約返戻金などの資産
- 住宅ローン、奨学金、自動車ローンなどの負債
年間収支=年間の手取り収入-年間支出
月額だけでなく、年払いの支出も含めて確認します。家計簿がない場合は、銀行口座やクレジットカードの直近数か月分から概算しても構いません。
2.将来の予定を書き出す
次に、実現したいことや支出が発生しそうな時期を書き出します。
- 結婚、出産、子どもの進学
- 住宅の購入、引っ越し、リフォーム
- 自動車や家電の買い替え
- 転職、独立、働き方の変更
- 退職後の生活
予定が決まっていない項目は、「5年後」「子どもが進学する頃」のような大まかな時期で構いません。
3.必要額を仮置きする
それぞれの予定について、現在分かる範囲で必要額を入れます。住宅、教育、老後などの費用は、選択する内容や住む地域によって大きく異なるため、一つの平均額をそのまま目標にしないようにします。
| 予定 | 時期 | 必要額の見込み | 準備済み | 不足額 |
|---|---|---|---|---|
| 自動車の買い替え | 5年後 | 120万円 | 20万円 | 100万円 |
| 子どもの進学 | 10年後 | 未定 | 現在の積立額を記入 | 金額を決めた後に計算 |
| 住宅 | 時期未定 | 希望条件から試算 | 頭金用の資金を記入 | 試算後に計算 |
不足額=必要額-その目的のために準備済みの金額
例えば、5年後までに不足額100万円を準備する場合、単純計算では月約1万7,000円です。金額が難しい場合は、実現時期、予算、内容のいずれかを調整します。
4.年ごとの収支を並べる
現在の資産に、毎年の収入と支出を加えて、将来の資産残高を確認します。
年末の資産残高=年初の資産残高+年間収入-年間支出
最初は投資収益や物価上昇を細かく設定せず、現在の金額で作成すると分かりやすくなります。その後、収入減、支出増、運用結果など条件を変えて確認します。
特定の年に資産残高が大きく減る場合は、予定している支出が重なっていないか、必要な現金を確保できるかを確認します。
5.不足への対応を決める
不足が見つかった場合は、次の方法を組み合わせて調整します。
- 毎月の固定費や予定支出を見直す
- 目標額や実施時期を見直す
- 毎月の積立額を増やす
- 働き方や退職時期を見直す
- 長期間使わない資金について、値動きを許容できる範囲で運用を検討する
支出をすべて削るのではなく、自分や家族が優先したいことを残したうえで調整します。
お金を使う時期で分ける
資金は、使う目的と時期によって置き場所を分けます。
| お金の種類 | 使う時期・目的 | 主な置き場所 |
|---|---|---|
| 日常生活費 | 毎月の支払い | 普段使う普通預金 |
| 予定支出 | 数年以内に使うことが決まっている | 普通預金など値下がりしにくく引き出しやすい場所 |
| 生活防衛資金 | 急な収入減や緊急支出 | すぐに使える預貯金 |
| 長期資金 | 当面使う予定がなく、長期間準備できる | 預貯金に加え、許容できるリスクに応じて投資を検討 |
数年以内に使う予定のお金を値動きの大きい商品で運用すると、必要な時期に値下がりしている可能性があります。使う時期が近い資金ほど、安全性と引き出しやすさを優先します。
生活防衛資金の決め方は、生活防衛資金はいくら必要?計算方法・置き場所・貯め方を解説で詳しく説明しています。
ライフプランと投資の関係
投資に回せるのは、日常生活費、予定支出、生活防衛資金を分けた後に残る、長期間使う予定のない資金です。
- 使う時期までどのくらいあるか
- 値下がりしても生活に影響しないか
- 必要な時期を延期できるお金か
この3点を確認してから、投資額を決めます。NISAは投資で得た利益を非課税にする制度であり、NISA口座内の商品に元本保証が付くわけではありません。
家計管理から投資までの全体像は、資産形成の基本|将来に備えるための考え方と始め方で解説しています。
ライフプランを見直すタイミング
ライフプランは一度作って終わりではありません。少なくとも年に1回、または家計に大きな変化があったときに見直します。
| 見直すタイミング | 確認する内容 |
|---|---|
| 年に1回 | 収入、支出、資産残高、目標への進み具合 |
| 結婚・出産・進学 | 家族構成、教育費、必要な保障 |
| 転職・休職・独立 | 手取り収入、公的保障、生活防衛資金 |
| 住宅購入・引っ越し | 住宅費、諸費用、ローン返済後の家計 |
| 相場の上昇・下落 | 資産配分が当初の計画から大きくずれていないか |
収入が増えたときも見直しの機会です。生活費を自動的に増やす前に、予定支出、生活防衛資金、長期資金への配分を確認します。
固定費の確認方法は、固定費の見直し方|通信費・保険・サブスクを無理なく整理する手順をご覧ください。
無料で使える公的シミュレーター
- 金融庁「ライフプランシミュレーター」:収入や支出などを入力し、将来の家計を試算できます。
- 厚生労働省「公的年金シミュレーター」:働き方や受給開始時期に応じた公的年金額を簡易に試算できます。
- 金融庁「資産形成の基本」:家計管理、金融商品、長期・積立・分散投資の基本を確認できます。
シミュレーション結果は、入力した条件に基づく目安です。将来の収入、支出、運用結果を保証するものではないため、複数の条件で試算し、定期的に更新します。
よくある質問
将来の予定が決まっていなくても作れますか?
作れます。決まっていない項目は「未定」とし、今後数年の収入、支出、貯金だけでも整理します。予定が決まった時点で追加します。
必要額が分からない場合はどうしますか?
最初は上限と下限の2通りで仮置きします。実際に選べる商品やサービスを調べた後、現実的な金額へ更新します。平均額だけで決めず、自分の希望条件から見積もることが重要です。
投資の想定利回りは何%にすればよいですか?
将来の運用利回りは確定できません。まず運用益を含めない条件で家計が成り立つか確認し、その後に複数の利回りや値下がりを想定して比較します。
まとめ
- ライフプランは、将来の予定と必要なお金を整理するもの
- 現在の家計、将来の予定、必要額、年ごとの収支の順に確認する
- お金は使う目的と時期によって分ける
- 数年以内に使うお金と生活防衛資金は、投資資金と分ける
- 年に1回または家計が変化したときに見直す
まずは、現在の手取り収入、年間支出、預貯金、数年以内の予定を書き出すところから始めましょう。
この記事の情報について
- 情報の確認日:2026年8月23日
- 執筆者:たつまる(病院薬剤師)
- 主な確認先:金融庁、厚生労働省の公式サイト
本記事は一般的な家計管理と資産形成の考え方を解説するもので、個別の家計、投資、税務、年金に関する助言ではありません。制度やシミュレーターの内容は変更されることがあるため、利用前に公式情報をご確認ください。


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