投資信託とETFの違い|積立・分配金・売買方法・NISAでどう使い分ける?

投資信託とETFの違い:積立・分配金・売買方法を比較 お金の教科書

「同じS&P500に投資するなら、投資信託とETFのどちらを選んでも同じ?」と迷うことがあります。投資先が似ていても、注文の出し方、毎月の積立、分配金の扱いには違いがあります。

ETFも投資信託の一種です。この記事の「投資信託とETF」は、主に非上場の公募投資信託と、国内の取引所に上場するETFを比べています。海外市場で売買するETFは、後半で追加の確認事項を整理します。

商品の仕組みの基本は投資信託の基礎とETFの基礎で説明しています。ここでは「どう買い、どう保有し続けるか」に絞って考えます。

情報確認日:2026年9月29日。本記事は一般的な仕組みの整理であり、特定の商品・証券会社の購入推奨ではありません。どちらにも価格変動リスクがあり、元本や将来の利益は保証されません。

目次(開く・閉じる)
  1. まず結論|投資信託とETFは何が違う?
  2. 一番大きな違いは「いつ、いくらで買うか」
  3. ETFには「市場価格」と「基準価額」がある
  4. 同じS&P500でも「投資対象」と「商品の使い方」は別
  5. 積立では投資信託の方が管理しやすい場合がある
  6. 分配金の扱いも違う
  7. コストは「ETFなら必ず安い」ではない
  8. NISAでは投資信託もETFも買える?
  9. 投資信託とETFを架空例で比較
  10. 投資信託を選ぶときの確認項目
  11. ETFを選ぶときの確認項目
  12. 海外ETFはさらに別の確認が必要
  13. よくある質問
  14. まとめ|中身だけでなく「どう買って、どう持つか」で比較する
  15. 参考資料

まず結論|投資信託とETFは何が違う?

比較の出発点は、投資対象の優劣ではなく、価格が決まる仕組みと保有中に必要な操作です。ETFが一律に有利、非上場投資信託が初心者に必ず適する、という関係ではありません。

非上場投資信託と国内上場ETFの主な違い
確認項目非上場の公募投資信託国内上場ETF
上場通常は上場していない取引所に上場している
売買価格商品所定の日の基準価額をもとに購入・換金市場で成立した価格で売買
価格更新基準価額は通常1日1回算出市場価格は取引時間中に変動。基準価額は別に公表
注文方法金額・口数を指定して申込み。通常、指値はできない売買単位に応じ、指値・成行などで注文
購入価格の分かり方注文時点では適用される基準価額が未確定なのが一般的気配を確認して注文できるが、実際の約定価格は成立時に確定
自動積立金額指定の積立サービスを利用できる商品がある対応する証券会社・商品・サービスでは積立可能
分配金受取・再投資コースや分配を抑える方針など、商品ごとに異なる分配する商品では現金受取が基本。再投資は新たな買付け
保有コスト信託報酬、監査費用などのその他費用信託報酬、その他費用
売買時コスト購入時手数料、信託財産留保額など。かからない商品もある売買手数料などに加え、売り気配と買い気配の差も確認
NISA対象商品であれば利用可能対象商品であれば利用可能。分配金の受取設定にも注意
画面が狭い場合は、表を左右にスクロールして確認できます。

最低購入金額、取扱商品、積立方法、費用は商品・販売会社によって異なります。最新の目論見書と取引画面で確認してください。出典:[1]、[5]、[7]、[8]。

一番大きな違いは「いつ、いくらで買うか」

投資信託:注文時に最終的な基準価額は分からないのが一般的

非上場投資信託は、申込締切と商品ごとのルールに従って決まる基準価額で購入・換金します。画面に表示されている直近の基準価額が、そのまま今回の購入価格になるとは限りません。申込みの当日か翌営業日以降かなど、どの日の基準価額が適用されるかも商品ごとに確認します。[2]

毎月の投資額を決めて積み立てる場合は、この仕組みを前提に設定できます。一方、「この価格以下でだけ買いたい」という注文には通常対応していません。

ETF:市場価格を見ながら指値・成行で注文できる

ETFは取引所で売買します。指値は希望する価格条件を指定する方法、成行は価格を指定せず注文する方法です。ただし、指値を出しても必ず買えるわけではなく、成行も直前に見た価格で成立するとは限りません。注文数量に対してどの程度の売り注文があるかも確認します。[1]、[10]

ETFには「市場価格」と「基準価額」がある

ETFを選ぶときは、次の3つを区別すると価格を読み違えにくくなります。

ETFで確認する3つの価額
指標何を示すか確認時の注意
基準価額(NAV)保有資産から負債等を差し引いた純資産を、1口当たりに換算した価額市場の売買価格ではない。通常は1日1回公表
インディカティブNAV(iNAV)取引時間中の資産価格などをもとに計算される、1口当たり純資産価値の推計値参考値であり、その価格で必ず売買できるわけではない
市場価格取引所で売り手と買い手の注文により成立する価格NAVやiNAVからずれることがある
画面が狭い場合は、表を左右にスクロールして確認できます。

市場価格が比較するNAV・iNAVより高い状態をプレミアム、低い状態をディスカウントと呼びます。比較時点や対象市場の取引時間も異なるため、低いから必ず割安、高いから必ず損とは判断できません。[3]、[4]

スプレッドは、最も安い売り気配と最も高い買い気配の価格差です。たとえば売り気配1,002円、買い気配998円なら差は4円です。これは仕組みを示す架空例で、手数料や価格変動は含みません。取引手数料が無料でも、この差が取引上の負担になり得ます。売買高だけでなく、気配の価格・数量も合わせて見ます。[6]

同じS&P500でも「投資対象」と「商品の使い方」は別

「何に投資するか」と「どの器で投資するか」は別の選択です。同じS&P500への連動を目指す場合でも、非上場投資信託で毎月3万円を自動積立する方法と、ETFで市場価格を確認して指値注文する方法では、必要な操作が変わります。

比較する順番は、まず投資対象や為替ヘッジの有無をそろえ、そのうえで注文方法・分配方針・費用を見る、という流れです。指数名が同じでも、配当込みかどうか、通貨、費用、指数との連動のずれ、買付時点が違えば結果も一致しません。

ここでS&P500を挙げるのは仕組みを比べるためであり、投資先の推奨ではありません。また、ETFには指数への連動を目指さないアクティブ運用型もあります。[9]

積立では投資信託の方が管理しやすい場合がある

非上場投資信託では、金額を指定して自動で買い続ける設定が使えます。給与から毎月一定額を投資したい人にとっては、注文のたびに価格や売買単位を調整する手間を減らせる場合があります。

ただし、ETFでも積立サービスを提供する証券会社があります。確認するのは、対応銘柄、金額・口数の指定、発注日、注文方法、手数料、NISA対応です。ETFは売買単位の関係で、設定した金額をちょうど使い切れない場合もあります。[8]

どちらも、積立額だけでなく「引落し残高が不足したらどうなるか」「停止・変更はいつまでに行うか」まで確認しておくと、保有を続ける際の迷いを減らせます。

分配金の扱いも違う

投資信託:分配方針と再投資コースを分けて確認する

非上場投資信託には、分配金を受け取るもの、受け取った分配金を再投資できるもの、分配を抑えてファンド内で運用を続ける方針のものがあります。分配金はファンドの財産から支払われるため、支払われた分だけ基準価額を下げる要因になります。分配額の多さだけでは運用の良し悪しは分かりません。[2]

ファンド内で分配せずに運用を続けることと、分配金を受け取って再度買い付けることは別です。後者をNISAで行う場合は、その買付けが年間投資枠を使います。再投資先がNISAか課税口座かは販売会社の扱いも確認します。[8]

ETF:分配金を運用に戻すなら買付けの手順が必要

分配するETFでは現金受取が基本です。再投資したい場合は新たな買付けになり、受取額、売買単位、費用、発注の手間を考えます。分配しないものや、分配金がゼロになる場合もあるため、頻度や金額を保証された収入として扱わないことが大切です。[10]

高配当・増配という運用方針と、投資家への分配方針の違いは、高配当投信・増配・配当貴族の比較でも整理しています。

コストは「ETFなら必ず安い」ではない

費用は「持っている間」と「売買するとき」に分けて見ます。信託報酬だけが低くても、取引の回数や金額によって負担は変わります。

費用を確認する場所
場面非上場投資信託ETF
購入・売却購入時手数料、換金時の信託財産留保額など売買手数料、スプレッドなど
保有中信託報酬に加え、監査・売買等のその他費用信託報酬に加え、その他費用
海外市場での取引外貨建て商品の場合は通貨や為替費用も確認為替手数料・外国取引関連費用などを追加確認
確認資料交付目論見書、運用報告書、販売会社の料金表交付目論見書、運用報告書、証券会社の料金表、売買気配
画面が狭い場合は、表を左右にスクロールして確認できます。

信託財産留保額は、換金する人が負担してファンドに残すお金であり、販売会社に払う手数料とは性質が異なります。かからない商品もあります。運用報告書の総経費率等を比較するときも、対象期間や含まれる費用をそろえてください。[5]

「少額を毎月購入する」「年に数回まとまった額で購入する」「長く保有する」では、重視する費用が異なります。ETFなら必ず安いと決めず、自分の売買回数と保有方法で確認します。

NISAでは投資信託もETFも買える?

対象商品なら、非上場投資信託もETFもNISAで購入できます。ただし、つみたて投資枠は対象が限定されており、成長投資枠で買える商品がすべてつみたて投資枠でも買えるわけではありません。

2026年9月29日に、金融庁の現行のつみたて投資枠対象商品一覧でETFも掲載されていることを確認しました。対象商品かどうかに加え、利用する金融機関での取扱いと積立設定を確認してください。[7]、[8]

投資対象・分散・費用などの絞り込みは、NISAで投資信託を選ぶときの確認項目へ進むと整理しやすくなります。

NISAでETFを持つなら「分配金の受取方法」に注意

日本証券業協会の現行FAQでは、国内上場ETF等の分配金についてNISAの非課税扱いを受けるには、証券会社で受け取る「株式数比例配分方式」が必要と説明されています。NISA口座で保有しているだけで、どの受取方法でも非課税になるわけではありません。[8:Q18・Q19]

一方、通常の非上場の株式投資信託の分配金では、この受取方式への変更手続きは不要です。ETFの受取方法は権利確定前に証券会社へ確認してください。他の証券会社の保有分にも設定が関係するため、口座ごとに自由に別方式を選べるとは考えないようにします。

なお、国内上場でも外国籍ETFなど、株式数比例配分方式を利用できず分配金が非課税とならないものがあります。国内市場で買えるという理由だけで同じ扱いと判断せず、銘柄ごとの受取・課税条件を確認してください。[12]

分配金の再投資も無条件にNISAへ入るわけではありません。成長投資枠や課税口座の投信分配金を、つみたて投資枠へ再投資することはできません。再投資先の口座・枠と金融機関の扱いを確認してください。これは、海外ETFにかかる外国税とは別の論点です。[8:Q35]

口座ごとの課税の基本は、NISA・株・投資信託の税金の整理も参照してください。

投資信託とETFを架空例で比較

以下は、必要な機能を整理するための独立した架空例です。資産額・年齢・運用成果を比較する試算ではなく、どちらかの商品を勧めるものでもありません。

目的から購入・保有方法を考える架空例
確認することA:毎月3万円を自動で運用に回したいB:まとまった資金を価格条件を決めて投資したい
重視する操作毎月の金額設定、注文の自動化市場価格の確認、指値注文
分配金の希望運用に回したい現金受取も考えたい
非上場投資信託での確認自動積立、分配方針、再投資コース希望する価格を指定できないことを受け入れられるか
ETFでの確認積立対応、売買単位、分配金を買い戻す手間指値、気配の価格・数量、スプレッド、分配方針
NISAでの確認対象商品、設定した枠、再投資時の取扱い対象商品、利用枠、分配金受取方式
画面が狭い場合は、表を左右にスクロールして確認できます。

Aでは非上場投資信託の自動積立が管理しやすい可能性がありますが、ETFの積立サービスも比較対象です。BではETFの指値注文が希望に合う可能性がありますが、注文不成立や価格変動も考えます。

選ぶ前に「価格を細かく決めたいか」「分配金を現金で使いたいか」「注文・再投資の操作を続けられるか」を書き出すと、費用の数字だけでは見えなかった違いが分かります。

投資信託を選ぶときの確認項目

  • 中身:ベンチマーク、対象資産・地域、為替ヘッジ、運用方針を確認する。
  • 費用:信託報酬だけでなく、運用報告書の実質的な費用と購入・換金時の費用を見る。
  • 規模:純資産総額とその推移を確認する。大きさだけで運用成果を判断しない。
  • 購入:最低購入金額、積立日、金額変更・停止方法を確認する。
  • 分配:分配方針と、受取・再投資コースの選択可否を確認する。
  • 口座:NISAのどの枠で買えるか、再投資先はどの口座かを見る。
  • 換金:解約申込の締切、適用される基準価額の日、入金までの日数、申込不可日や換金制限を確認する。

比較メモには、商品名だけでなく目論見書と運用報告書の基準日を残しておくと、後で条件変更を確認できます。

ETFを選ぶときの確認項目

  • 中身:連動指数・運用方針、対象資産、為替ヘッジを確認する。
  • 価格:市場価格とNAV・iNAVを区別し、参照時点を見る。
  • 売買:売買単位、売買高、売り・買い気配の数量、スプレッドを確認する。
  • 費用:信託報酬・総経費と、証券会社の売買手数料を合わせて見る。
  • 分配:決算・分配方針、現金受取後に使うか再投資するかを決める。
  • 口座:NISA対象か、積立サービスで扱えるか、分配金が株式数比例配分方式で受け取れる状態かを確認する。

売買高が少ないという数字だけで結論を出さず、実際に注文しようとする数量に対する気配も見ます。NAVが表示されていても、それがその場で約定できる価格という意味ではありません。[4]、[6]

海外ETFはさらに別の確認が必要

海外市場で売買するETFでは、国内ETFの比較項目に加え、外貨交換、為替コスト、現地市場の取引時間、外国税、外国取引関連の手数料を確認します。

NISAで日本側の税が非課税でも、外国で課税される場合があります。税の扱いは投資先・商品の仕組みなどで異なるため、一律の税率や還付を前提にしないでください。国内上場ETFの株式数比例配分方式の話を、そのまま海外市場のETFへ当てはめないことも大切です。[11]

今回は国内上場ETFとの使い分けが中心です。海外ETFを比較する場合は、利用する証券会社と商品の公式資料で、通貨・税・売買条件を別に確認しましょう。

よくある質問

ETFは投資信託ではないの?

ETFは上場投資信託です。一般に「投資信託とETFの違い」というときは、非上場の投資信託と、取引所で売買するETFを比較しています。

ETFの方が必ず手数料は安い?

必ずではありません。信託報酬だけでなく、その他費用、売買手数料、スプレッド、海外市場で取引する場合の為替関連費用も含めて考えます。

ETFでも積立できる?

対応する証券会社・商品・サービスなら可能です。金額や口数の指定方法、発注方法、NISA対応などはサービスごとに確認します。

同じS&P500なら成績も同じ?

同じとは限りません。配当の扱い、通貨・為替ヘッジ、費用、指数との連動のずれ、購入時点、分配金を再投資したかどうかなどで差が生じます。

NISAならETFと投資信託どちらでもいい?

NISA対象であることは条件の一つです。投資先のリスクに加え、積立や注文の使い勝手、分配方針、国内上場ETFの分配金受取方式を確認して選びます。

まとめ|中身だけでなく「どう買って、どう持つか」で比較する

まず投資対象を確認し、そのうえで購入時の価格の決まり方、積立の操作、分配金の使い道、費用、NISAの設定を比べると、自分に必要な機能を整理できます。

自動化を重視する場合も、指値を使いたい場合も、商品名だけで決める必要はありません。「いつ、いくらで買いたいか」「受け取ったお金をどう使うか」「その操作を続けられるか」を確認して、無理のない保有方法を考えましょう。

参考資料

  1. 日本取引所グループ:ETFと他の金融商品との比較
  2. 資産運用業協会:基準価額と分配金
  3. 日本取引所グループ:ETFの指数・基準価額・市場価格
  4. 日本取引所グループ:インディカティブNAV・PCF情報
  5. 資産運用業協会:投資信託のコスト
  6. 日本取引所グループ:マーケットメイク制度 Q&A(スプレッド・デプス)
  7. 金融庁:NISA対象商品(つみたて投資枠の現行届出一覧を確認)
  8. 日本証券業協会:NISAに関するよくある質問(Q4・Q18・Q19・Q23・Q35)
  9. 日本取引所グループ:ETF
  10. 日本取引所グループ:売買制度(ETF)
  11. SBI証券公式FAQ:外国株式の配当金と外国税額控除
  12. 楽天証券公式:NISAの取引・ルール(非課税対象の注意事項)

商品やサービスの取扱い、費用、NISA対象、税制は変更されることがあります。実際の取引前には金融庁・日本証券業協会・取引所の最新資料、目論見書、金融機関の案内を確認してください。

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