NASDAQ100、FANG+、Zテック20は、いずれも大型ハイテク企業の成長を取り込める一方、投資先の数、銘柄の選び方、集中度が大きく異なります。
違いを判断するときは、過去の上昇率だけでなく、次の4点を確認することが重要です。
- NASDAQ100:約100社。3商品の中では投資先が多く、相対的に分散されている
- FANG+:10社に均等投資。1社あたりの影響が大きく、集中度が高い
- Zテック20:日本を除くテクノロジー企業20社をルールに基づいて選ぶ投資信託
- レバレッジ型NASDAQ100:日々の値動きを増幅する仕組みで、損失も大きくなりやすい
先に結論:初めての1本なら、まずオルカンやS&P500のように幅広く分散された商品を理解するのが基本です。すでに分散型の投資信託を保有し、ハイテク企業の比率を意図的に高めたい場合は、3商品の中ではNASDAQ100が比較的分散、FANG+は10社への集中、Zテック20は20社のテクノロジー企業への集中という違いがあります。「最も上がりそうか」ではなく、許容できる集中度と値動きで選びます。
まずは5種類を比較
| 比較対象 | 投資対象・配分の違い | 読むべきルール |
|---|---|---|
| S&P500 | 米国の主要大型企業約500社。時価総額を基準に配分 | 対象企業の条件、上位企業の比率 |
| NASDAQ100 | NASDAQ上場の大型非金融企業約100社。時価総額を基準に配分 | 金融企業を含まない点、構成比率の調整 |
| FANG+ | 選定された10社へ均等に配分し、定期的に調整 | 採用・除外と四半期ごとの見直し |
| Zテック20 | 日本を除く世界のテクノロジー企業20社へ時価総額を基準に配分 | 運用会社の選定・入替えルール。株価指数そのものではない |
| レバレッジ型NASDAQ100 | 日々の指数の騰落率に対する倍率を目指す | 対象指数、日次の倍率、複数日では単純な倍率にならない仕組み |
そもそも「ハイテク系投資信託」とは?
「ハイテク系投資信託」という正式な商品分類があるわけではありません。一般には、IT、AI、半導体、クラウドなどのテクノロジー企業の比率が高い投資信託をまとめてそう呼んでいます。
同じような名前でも、約100社に投資する商品と、10~20社に絞る商品ではリスクが違います。1社の影響は銘柄数だけでなく組入れ比率で決まります。同じ銘柄数でも、均等配分と時価総額を基準とする配分では偏り方が異なります。
NASDAQ100|約100社に投資
NASDAQ100は、NASDAQに上場する企業のうち、金融会社を除いた時価総額の大きい約100社で構成される株価指数です。
テクノロジー企業の比率は高いものの、テクノロジー企業だけの指数ではありません。S&P500より企業数が少なく、特定の大型成長企業の影響を受けやすい点が特徴です。
NASDAQ100に連動する主な投資信託
- eMAXIS NASDAQ100インデックス
- SBI・iシェアーズ・NASDAQ100インデックス・ファンド
- ニッセイNASDAQ100インデックスファンド
- iFreeNEXT NASDAQ100インデックス
同じ指数を目指す商品でも、信託報酬、実際の運用コスト、指数とのずれ、純資産総額、NISAの対象枠が異なります。なお、2026年9月10日時点で、iFreeNEXT NASDAQ100インデックスはNISAのつみたて投資枠と成長投資枠の両方の対象です。他の商品は最新の商品ページで確認してください。
FANG+|10社に均等投資
NYSE FANG+指数は、大型のテクノロジー企業や成長企業10社で構成されます。各社の比率は定期的に10%へ戻す「均等加重」で、構成銘柄の見直しは四半期ごとに行われます。
10社しかないため、NASDAQ100より集中度は高くなります。上昇時に大きく伸びる可能性がある一方、数社の不調でも全体が大きく下がりやすい商品です。
iFreeNEXT FANG+インデックスは、2026年9月10日時点でNISAのつみたて投資枠と成長投資枠の両方の対象です。「毎月決算/予想分配金提示型」は別商品なので、同じ対象枠とは判断せず、正式名称で確認してください。
Zテック20|テクノロジー企業20社に集中
正式な商品名は「iFreePlus 世界トレンド・テクノロジー株(Zテック20)」です。日本を除く世界のテクノロジー企業から、運用会社が定めたルールに沿って20社を選びます。
ここは間違えやすい点ですが、Zテック20という株価指数に連動する商品ではありません。ルールに基づいて運用する投資信託です。
AIや半導体などの成長を取り込みやすい反面、投資先が20社に限られるため、値動きは大きくなりやすいと考えられます。2026年9月10日に確認した運用会社の商品ページでは、NISAの成長投資枠の対象です。
3つの選定・配分ルールを同じ軸で比較
NASDAQ100とFANG+は株価指数、Zテック20は投資信託です。以下は2026年9月29日に確認した公式ルールの要点であり、値動きや将来リターンの順位表ではありません。スマートフォンでは表を横にスクロールできます。
| 比較軸 | NASDAQ100 | FANG+ | Zテック20 |
|---|---|---|---|
| 対象数・地域 | 約100社。米国NASDAQ上場の非金融企業が対象で、米国外の企業も含む | 10社。米国の指定取引所に上場し、米国の設立国・リスク所在国などの条件を満たす企業 | 20銘柄。日本を除く世界が対象。ただし国・地域リスクが高いと判断される銘柄を除外 |
| 選定の考え方 | 時価総額や流動性等の条件で選ぶ。テクノロジー専用ではない | 所定の6社と、時価総額・売買代金・株価売上高倍率・売上成長率等で選ぶ4社が基本 | テクノロジー関連企業を抽出し、国・地域リスクを考慮したうえで時価総額上位20銘柄を選ぶ |
| 配分・1社の影響 | 修正時価総額加重。均等配分ではなく、上位企業の比率を調整する制約がある | 均等加重。定期見直しでは各10%を基準に調整し、その後は値動きで比率が変わる | 時価総額に応じた配分が基本。各5%の均等配分ではなく、大きい企業の影響が強い |
| 入替え・見直し | 12月の年次入替えと四半期の配分調整。3・6・9月にも条件に応じた銘柄の追加・除外があり、新規上場等の早期採用ルールもある | 3・6・9・12月に銘柄と配分を見直す。適格条件や既存銘柄の継続ルールがある | 3月末・9月末を基準に銘柄入替え。時価総額上位が予想される新規上場では基準月以外の入替えもあり得る |
| 集中と値動き | 3つの中では企業数が多いが、大型成長企業の業績・金利等の影響は残る | 10社に絞るため、数社の決算や成長期待の変化が全体に響きやすい | 20銘柄とテクノロジー関連分野への集中に加え、上位の組入れ比率が影響する |
| 併用時に見る点 | 商品名が違っても大型テック企業が重なることがある。同じ企業の組入れ比率を、各商品の保有額で重み付けして合算する | ||
※NASDAQ100は、同一企業の複数の株式クラスや臨時の追加により、構成証券数が100と一致しない場合があります。FANG+の所定6社も無条件に固定ではありません。また「世界が対象」のZテック20でも、国や業種が均等になるわけではありません。円建て投資信託の値動きには、為替や費用、運用方法の違いも影響します。
ルールの確認先:Nasdaq-100指数メソドロジー(PDF)、ICE・NYSE FANG+指数メソドロジー(PDF)、Zテック20の交付目論見書(2026年9月4日使用開始、PDF)。現在の構成・比率は、各公式ページと月次報告書で基準日をそろえて確認してください。
Zテック20とNASDAQ100は何が違う?
大きな違いは、投資対象を絞る入口と銘柄数です。NASDAQ100はNASDAQ上場の大型非金融企業を幅広い業種から選びます。Zテック20は日本を除く世界からテクノロジー関連企業に絞ります。世界を対象にしていても20銘柄への集中であり、「NASDAQ100より広く分散されている」とは限りません。
比較するときは、企業数と業種の広がりを重視するのか、テクノロジー関連分野への集中を許容するのかを整理します。どちらも時価総額を基準とした配分ですが、対象企業と調整ルールが異なるため、同じ企業が入っていても影響度は同じではありません。すでに持つ投資信託との重複まで含めて判断します。
NASDAQ100とFANG+はどう違う?
約100社の修正時価総額加重と、10社の均等加重の違いが中心です。FANG+は「NASDAQ100の時価総額上位10社をそのまま買う指数」ではなく、独自の対象・選定ルールを使います。定期調整時の各10%という配分も、NASDAQ100とは異なります。
同じ大型テック企業を含んでも、比率や残りの企業が違えば値動きは変わります。両方を保有すると、企業数を増やす効果より、重複する企業の比率を上乗せする効果が大きい場合があります。「ハイテクに投資するからほぼ同じ」とまとめず、1社の影響と資産全体の偏りを確認してください。
レバレッジ型NASDAQ100|初心者には複雑
レバレッジ型NASDAQ100は、NASDAQ100の1日ごとの値動きを2倍などに増幅することを目指す投資信託です。一般に「レバナス」と呼ばれます。
注意したいのは、2日以上の運用結果が単純にNASDAQ100の2倍になるわけではないことです。相場が上げ下げを繰り返すと、基準となる指数より不利になる場合があります。
損失も大きくなりやすく、仕組みも複雑です。初心者が最初に選ぶ商品としては扱いにくいでしょう。また、多くのレバレッジ型投資信託はNISAの対象外です。
「ゴルナス・ゴルプラ」は別の商品
「ゴルナス」はTracers NASDAQ100ゴールドプラス、「ゴルプラ」はTracers S&P500ゴールドプラスの俗称として使われます。
例えばTracers NASDAQ100ゴールドプラスの公式説明では、先物を活用し、米国株式と金にそれぞれ純資産総額の100%相当、合計200%相当を投資する方針です。実際の比率は常に200%とは限りません。通常のNASDAQ100連動型や毎月分配型と同じ仕組みではないため、本記事の比較対象からは外します。別商品へ同じ数値をそのまま当てはめず、各商品の目論見書を確認してください。
S&P500やオルカンと組み合わせるときの注意
S&P500やオルカンにも、NASDAQ100やFANG+に含まれる大型ハイテク企業の多くが入っています。
そのため、S&P500やオルカンにハイテク系投資信託を追加しても、投資先が大きく広がるわけではありません。実際には、同じ企業を重ねて持ち、ハイテク企業の比率を高める形になります。
組み合わせる場合は、幅広い投資信託を中心にして、ハイテク系を補助的に持つ「コア・サテライト」という考え方もあります。追加する前に、「資産全体の何割までにするか」を決めておくと、値上がり後に買いすぎることを防ぎやすくなります。
例えば、オルカン+NASDAQ100連動型+FANG+連動型+Zテック20の4本を保有する場合も、「4本あるから十分に分散」とは言えません。オルカンに含まれる米国大型テックを、残る3本で重ねて持つ可能性があるためです。これは組み合わせ方の仮例で、現在の重複銘柄数・比率を示すものではありません。以下の計算と同じ考え方で、4本それぞれの保有額と組入れ比率から合算します。
保有商品を合算すると、1社の比率は何%になるか
架空の配分による計算例です。株式投資の80%を広く分散したAファンド、20%をテーマ型Bファンドへ配分したとします。同じX社の組入れ比率がAで5%、Bで20%なら、株式投資全体のX社比率は「80% × 5% + 20% × 20% = 8%」です。実在ファンドの現在の比率ではありません。
このように、追加するファンドの本数ではなく、重なっている企業への投資額を合計します。月次報告書の基準日もそろえ、値動きで比率が変わることを踏まえて確認します。
比較グラフでは、運用実績とシミュレーションを分ける
公式資料にも、実際の運用開始前へさかのぼった計算が含まれることがあります。大和アセットマネジメントのZテック20特集の2016年3月末~2026年3月末の推移図は、2024年12月末までがシミュレーション、2025年1月以降がファンドの運用実績と明記されています。図全体を「10年間運用した実績」と読むことはできません。
ICEのFANG+公式説明も、指数開始前の期間にはバックテストを使うと説明しています。比較前に、実績か試算か、円か米ドルか、配当込みか、費用の扱い、開始・終了日をそろえます。条件が異なるグラフから将来の優劣を決めないことが重要です。
初心者が確認したい4項目
1.何社に投資するか
約100社のNASDAQ100と、10社のFANG+では集中度が違います。銘柄数だけで分散を判断せず、上位銘柄の比率と、その銘柄が他の保有商品にも入っていないかを確認します。
2.NISAのどの枠で買えるか
NISAの対象かどうかは、指数名ではなく商品ごとに決まります。同じNASDAQ100連動型でも対象枠が違う場合があるため、証券会社の商品ページで確認します。
3.保有中のコストはいくらか
投資信託では、保有中に信託報酬などの費用がかかります。表示されている信託報酬だけでなく、運用報告書の総経費率も確認すると比較しやすくなります。
4.大きく下がっても続けられるか
ハイテク企業は、金利上昇、成長期待の低下、規制、半導体需要の変化などで大きく下落することがあります。好調なときのリターンだけでなく、下落時にも積み立てを続けられるかを考えることが大切です。
主なリスク
| リスク | 何が起きる? | 影響を受けやすい商品 |
|---|---|---|
| 集中投資 | 一部の企業が下がると全体も大きく下がりやすい | FANG+、Zテック20 |
| 金利上昇 | 将来の成長期待で評価される企業の株価が下がりやすい | ハイテク系全般 |
| 為替変動 | 円高になると、外貨建て資産の円換算額が下がる場合がある | 海外資産に投資する商品 |
| 割高な価格 | 期待が先行していると、決算が良くても下落することがある | ハイテク系全般 |
| レバレッジ | 値下がりが増幅され、相場の往復でも不利になりやすい | レバレッジ型NASDAQ100 |
初心者はどれを選べばいい?
選ぶ基準は「最も上がりそうか」ではなく、「どの程度の集中と値下がりを受け入れられるか」です。初めての1本を探している場合は、まずオルカンやS&P500のような幅広い投資信託との違いを確認します。
すでに分散型の投資信託を持ち、その一部としてハイテク企業の比率を高めたい場合は、次のように整理できます。
| 商品 | 向いている人 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| NASDAQ100 | 大型成長企業の比率を高めつつ、3商品の中では投資先を多くしたい人 | S&P500やオルカンより値動きが小さいとは限らない |
| FANG+ | 10社への集中と大きな値動きを理解し、下落時も保有を続けられる人 | 1社あたりの影響が大きく、少数企業の不調で下がりやすい |
| Zテック20 | 20社のテクノロジー企業に絞る運用方針を理解し、成長テーマへの集中を許容できる人 | 指数連動型ではなく、NISAでは成長投資枠の対象 |
| レバレッジ型 | 日々の値動きを増幅する仕組みと逓減リスクを理解している人 | 初心者の長期積立の中心にはしにくい |
NISAでまず土台になる投資信託を比較したい人は、NISAの投資信託はどう選ぶ?オルカンとS&P500を比較も参考にしてください。
よくある質問
複数の商品を買えば分散になりますか?
必ずしも分散にはなりません。NASDAQ100、FANG+、S&P500には重なる大型企業が多いため、同じ企業の比率を高める結果になりやすいです。
NISAで買えますか?
商品ごとに異なります。2026年9月10日時点では、iFreeNEXT NASDAQ100インデックスとiFreeNEXT FANG+インデックスはつみたて投資枠・成長投資枠の両方、Zテック20は成長投資枠の対象です。対象は変更される場合があるため、購入時に再確認してください。
これからNISAを始める人向けに、SBI証券・楽天証券・松井証券の違いもまとめています。口座選びに迷ったときの参考にしてください。
構成銘柄はずっと同じですか?
同じではありません。各指数や投資信託のルールに従って定期的に見直されます。この記事では古くなりやすい個別銘柄の一覧を載せず、公式ページで最新情報を確認できるようにしています。
まとめ
- NASDAQ100は約100社、FANG+は10社、Zテック20は20社
- FANG+とZテック20は、NASDAQ100より集中度が高い
- Zテック20は指数ではなく、ルールに基づいて運用する投資信託
- ゴルナス・ゴルプラは毎月分配型ではなく、株式と金を組み合わせた複合型商品
- オルカンやS&P500に追加すると、分散よりハイテク企業への集中が強まりやすい
「最近上がっているから」だけで選ばず、投資先の数、費用、NISAの対象枠、下落時に続けられるかを確認してから判断しましょう。
2026年9月10日の更新:根拠のそろわない値動きの順位表を投資対象・配分ルールの表へ変更し、保有比率の仮例と、実績・シミュレーションの読み分けを追加しました。Nasdaq、ICE、S&P、大和アセットマネジメントの公式説明を確認しました。
この記事の情報・参考資料
- 情報の確認日:2026年8月22日
- 執筆者:たつまる(病院薬剤師・個人投資家)
- 主な確認先:Nasdaq、ICE、S&P Dow Jones Indices、各運用会社、金融庁
この記事は一般的な情報提供を目的としており、特定商品の購入を勧めるものではありません。構成銘柄、費用、NISAの対象枠は変わることがあります。購入前に必ず最新の目論見書と証券会社の商品ページをご確認ください。
- Nasdaq:Nasdaq-100 Index
- ICE:NYSE FANG+ Index
- S&P Dow Jones Indices:S&P 500
- 大和アセットマネジメント:iFreeNEXT NASDAQ100インデックス
- 大和アセットマネジメント:iFreeNEXT FANG+インデックス
- 大和アセットマネジメント:Zテック20
- アモーヴァ・アセットマネジメント:Tracers NASDAQ100ゴールドプラス
- 金融庁:NISA特設ウェブサイト


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