こどもNISAは、2027年1月から0~17歳もNISAのつみたて投資枠を利用できるようにする制度です。
年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円です。旧ジュニアNISAの単純な復活ではなく、現在のNISAを未成年へ広げる仕組みと考えると分かりやすいでしょう。
2026年8月時点ではまだ利用できません。この記事では、確定している制度内容と、利用前に注意したい払出し・贈与税・投資リスクを整理します。
こどもNISAの概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開始 | 2027年1月1日 |
| 対象年齢 | 0~17歳 |
| 利用できる枠 | つみたて投資枠 |
| 年間投資枠 | 60万円(月平均5万円) |
| 非課税保有限度額 | 600万円 |
| 対象商品 | 長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託 |
| 非課税保有期間 | 無期限 |
| 払出し | 原則として制限あり。12歳以降は一定条件で可能 |
| 18歳になった後 | 成人向けのつみたて投資枠へ自動移行 |
こどもNISAだけに特別な投資商品が用意されるわけではありません。基本的には、成人のつみたて投資枠と同じ考え方で対象商品が選ばれます。
NISA全体の仕組みは、「NISAとは?」で先に確認できます。
成人向けNISAとの違い
| 項目 | こどもNISA(0~17歳) | 成人向けNISA(18歳以上) |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 60万円 | つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円 |
| 非課税保有限度額 | 600万円 | 合計1,800万円 |
| 成長投資枠 | 利用できない | 利用できる |
| 個別株 | 対象外 | 成長投資枠で対象になる場合がある |
| 払出し | 一定の制限がある | 自由 |
| 口座管理 | 親権者などが行う | 本人が行う |
こどもNISAは、親が短期売買を行うための口座ではありません。対象は積立・分散投資に適した一定の投資信託に限られ、定期かつ継続的な方法で投資します。
ジュニアNISAとの違い
| 項目 | こどもNISA | 旧ジュニアNISA |
|---|---|---|
| 新規投資 | 2027年から開始 | 2023年で終了 |
| 年間投資枠 | 60万円 | 80万円 |
| 非課税保有限度額 | 600万円 | 年間80万円を最長5年間 |
| 対象商品 | つみたて投資枠の対象商品 | 上場株式・投資信託など |
| 非課税期間 | 無期限 | 原則5年間 |
| 払出し | 12歳以降は一定条件で可能 | 制度運用中は原則18歳まで制限 |
| 成人後 | 成人向けつみたて投資枠へ自動移行 | 旧制度の取扱いに従う |
旧ジュニアNISAで保有している商品が、こどもNISAへ自動的に移されるわけではありません。旧ジュニアNISAの商品は、従来の経過措置に従って管理します。
払出しは自由ではない
こどもNISAは、子どもの将来に向けた長期投資を目的としているため、成人向けNISAのようにいつでも自由に引き出せる仕組みではありません。
12歳になる前
災害などのやむを得ない事情や上場廃止など、限定された場合を除き、原則として払出しが制限されます。
12歳以降
教育費や生活費など子どものために使う場合は、一定の書類を金融機関へ提出し、子どもの同意を確認したうえで、親権者などが払出しできる仕組みです。
条件に反して払い出した場合は、非課税だった利益が課税対象になることがあります。具体的な手続は、口座を開設する金融機関の案内を確認してください。
親が投資資金を出す場合は贈与税に注意
こどもNISAの口座名義人は子どもです。親や祖父母が投資資金を渡す場合、税務上は子どもへの贈与になる可能性があります。
暦年課税では、1年間に受けた贈与の合計額が110万円以下なら、基礎控除の範囲内です。こどもNISAの年間投資枠60万円だけなら110万円以下ですが、同じ年に子どもが受けたほかの贈与も合算して考えます。
また、生活費や教育費として必要な都度使うお金は一定範囲で贈与税がかかりませんが、受け取ったお金を預金したり、株式・投資信託の購入資金にしたりする場合は同じ扱いになりません。
NISAは運用益を非課税にする制度であり、贈与税を非課税にする制度ではありません。個別の判断が必要な場合は、税務署や税理士へ確認してください。
毎月いくら積み立てる?
年間60万円は上限であり、使い切る必要はありません。家計や教育費の準備状況に合わせて、無理のない金額を決めます。
| 毎月の積立額 | 年間の投資額 |
|---|---|
| 5,000円 | 6万円 |
| 1万円 | 12万円 |
| 3万円 | 36万円 |
| 5万円 | 60万円 |
積立額を決める前に、親の生活防衛資金、数年以内に必要な教育費、住宅費などを現金で確保できているか確認しましょう。生活防衛資金については、「生活防衛資金はいくら必要?」で解説しています。
教育費をすべて投資に回さない
こどもNISAで購入する投資信託は、預金ではありません。進学時期の直前に相場が下落し、必要な金額を用意できない可能性があります。
- 近いうちに使う授業料や入学金は預貯金で確保する
- 使うまで長い期間があるお金の一部を投資へ回す
- 値下がりしても家計が困らない金額にする
- 親自身の老後資金や生活防衛資金を後回しにしない
「子どものためだから必ず上限まで投資する」のではなく、預貯金と投資を分けて準備することが大切です。
対象商品はどう選ぶ?
対象は、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託です。個別株や、成長投資枠だけで購入できる商品は対象になりません。
商品を選ぶときは、信託報酬、投資対象、地域の偏り、為替リスクなどを確認します。代表的な選択肢の考え方は、「NISAで投資信託を選ぶポイント」、「オルカンとは?」、「S&P500とは?」をご覧ください。
ただし、制度開始時の取扱商品や金融機関ごとの対応は、実際に利用する前に最新情報を確認してください。
始まる前に準備すること
- 何のためのお金か、いつ使う可能性があるかを決める
- 親の生活防衛資金と近い将来の教育費を現金で確保する
- 贈与する金額と、ほかの贈与を記録する
- 無理なく続けられる毎月の積立額を決める
- 金融庁と利用予定の金融機関から最新の手続を確認する
NISAを始める前の家計整理は、「NISAを始める前に確認したいこと」も参考にしてください。
よくある質問
2026年中に口座を開設できますか?
制度の施行は2027年1月1日です。口座開設の受付時期や必要書類は金融機関によって案内が異なる可能性があるため、2026年中に利用予定の金融機関から公表される情報を確認してください。
個別株は買えますか?
0~17歳が利用できるのはつみたて投資枠です。成長投資枠は利用できないため、個別株は対象外です。
毎年60万円を入れないと損ですか?
いいえ。60万円は上限であり、目標額ではありません。家計を圧迫してまで使い切る必要はなく、月5,000円や1万円から始めることもできます。
親のNISAと併用できますか?
親本人のNISAと、子ども名義のこどもNISAは別の口座です。ただし、親から子どもへ投資資金を渡す場合は、贈与税の取扱いを確認する必要があります。
途中で売却したら枠は戻りますか?
NISAの非課税保有限度額は取得額で管理され、売却した商品の取得額分は翌年以降に再利用できるのが基本です。ただし、こどもNISAには払出し制限があるため、売却後の資金の扱いも含めて金融機関へ確認してください。
まとめ
- こどもNISAは2027年1月から始まる
- 対象は0~17歳、年間60万円、非課税保有限度額600万円
- 利用できるのはつみたて投資枠で、個別株は対象外
- 12歳以降も払出しには一定の条件がある
- 親が資金を出す場合は贈与税にも注意する
- 上限を使い切らず、預貯金と投資を分けて準備する
こどもNISAは、子どもの将来に向けた選択肢の一つです。制度を使うこと自体を目的にせず、家計と使う時期に合わせて積立額を決めましょう。
この記事の情報について
- 情報確認日:2026年8月28日
- 執筆者:たつまる(病院薬剤師・NISAと投資信託を利用した資産形成を実践)
- 主な確認先:金融庁、財務省、国税庁
参考資料
- 国税庁「令和8年度の税制改正により、令和9年以後適用されるもの」
- 財務省「特集 令和8年度 税制改正(国税)等について」
- 金融庁「アクセスFSA 第273号」
- 国税庁「贈与税がかかる場合」
- 国税庁「贈与税がかからない場合」
制度、税制、対象商品、口座開設手続は変更・追加されることがあります。利用前に金融庁、国税庁、金融機関の最新情報を確認してください。本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務判断や特定商品の購入を勧めるものではありません。
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